裏切られたことへの自己防衛

「子供が傷ついていたのに気が付かなかった」「どうしてもっと早く言ってくれなかったのか?」そう思うことってありませんか?
子供が話をしてくれない。その原因はどこにあるのか…
おそらく、「自分を信じてくれてないんだ」「裏切られた」そんな思いを感じさせられる出来事があったのではないかと思います。
具体的にどう言う事か…私が「こうじゃないかな?」と思う例を挙げてみたいと思います。

私が通っていた中高は、キリスト教系の学校だったので。毎朝礼拝の時間がありました。
その礼拝の時間に先生が話をしたものです。1回しか聞いていない話だし、昔のことなので詳細はあいまいですが…

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


ある、心を固く閉ざしてしまった女の子が居ました。
その子の心を開くため、いろいろな手立てをしてみたのですが。なかなか開くことが出来ませんでした。
そして、とある精神科医の先生にカウンセリングにかかることになります。

その精神科医の先生の誠意と努力により。徐々に女の子は心を開くようになります。
しかし、その心を開きかけたところで。
親の都合で病院を転院することになってしまうのです。
女の子としては、病院を転院したくありません。
けれど。親はどうしても転院させようと精神科医の先生に働きかけます。

しぶしぶ、精神科医の先生はその女の子に対して薬を使って。病院を転院させることにするのです。
女の子に注射で薬を投与した時。女の子は薄れ行く意識の中こう言ったそうです。
「先生も裏切るんですね」
精神科医の先生は、「この子はもう誰に対しても心を開くことはないだろう」という事をこの時感じたそうです。


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

大人になると、「自分達の都合」「社会の常識」「周りからの視線」そんなものにとらわれてしまうようになります。
しかし、子供にはそれれ全てが見えては居ないのです。
子供にとって重要なのは「自分をどれだけ信じてくれているかどうか」そして「それを態度でどれだけ示してくれているかどうか」なのです。
どれだけ心配してくれていても、信じてくれていても。態度で示してくれなければわからないのです。

ココまで、大きな話は身の回りではないと思います。
けれど…子供が話をしなくなった原因って、もしかしたら、これと同じ状況が起きているのではないでしょうか?
信じてもらえない、理解してもらえない。否定されるだけ。ならば、相談することをやめてしまうでしょう。
傷つきたくないし、裏切られたくもないから…
誰かに信頼して欲しい時、その信頼して欲しいという思いを態度で示さなければ。
そして、裏切ってはほしくないのです。
もし、信頼を取り戻したいと思うのであれば…長期戦になるとは思いますが、やはり態度で示してあげてください。

もしかしたら、子供だけではないのかもしれません。
一人で闘い続けるには、余りにも辛いことは世の中にはたくさんあるのですから。

2002/11/29

戻る